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アメリカ発のウッドショックが国産材にも波及


世界的に木材が品薄になり価格が高騰する「ウッドショック」の現象が深刻化しています。コロナ禍からの経済回復が進む米国では金融緩和による超低金利で住宅ブームが起き、木材価格が急上昇。北米での木材価格は1年で4倍近くにアップ。いち早く景気が回復した中国でも住宅着工が堅調で木材需要は旺盛。日本ではコロナ禍での巣ごもり需要で海外からの木材輸送に使うコンテナが不足したことも輸入木材価格を押し上げた要因です。





海外からの木材輸入の減少により大手住宅会社が輸入木材から国産材に切り替えたため、国産材の需要が高まり、3月から一気に上昇。日本の木材自給率は約4割で、20年前の自給率2割に比べれば改善したものの、出回りが少ないことも値上がりの要因です。





木材は食料や燃料と同様に自給するのが最善で、「雨楽な家」は国産材を活用していますが、上記の事情で、深刻な木材不足とコスト上昇に見舞われています。国産材を増産する好機だ、との声もありますが、木材の伐採は乾燥した冬に行うのが一般的で、湿気の多い夏は切り出しにくいうえ、国内林業は担い手の高齢化による人手不足が深刻化。木材の乾燥も必須で急な増産はしずらく、需要増に即対応するのは難しいのが現実です。





国産材の増産が急にはできない根本的な要因は2つあります。1つ目は丸太を出材する山の整備が進まない点。平地に植える北米等と違い、日本は険しい山から出材するため、林業の集約化が進まず、大規模な山道の整備が困難です。





2つ目は製材価格が上がっても山の所有者には売上が還元されにくい仕組みです。丸太の売上から伐採や搬出などの経費を差し引いた「立木価格」が流通経費の増加等を背景に下落。採算が取れる見込みがないと、林業家が安心して伐採して再造林することができません。国産材の安定供給までの道のりは多難です。





...ウッドショックを契機に国産材の価格が再認識され国産材を活用することで林業と森林環境と海が守られ、木の家づくりの輪が日本中に大きく広がること、そして、ウッドショックの早期解消を願っています...














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