「自然界には直線はないんですよ」という高名な建築家の言葉があります。

確かに山にも海にも直線はなく、直線は人間がいろいろなものやことを、効率よくこなすためにつくりだしたものです。私たちの回りには直線があふれていますが、それは不自然な環境の中で暮らしているということかもしれません。

家造りでも、もとは丸い木を切って削って、まっすぐな柱や板で家を組み立てます。でも、構造部はともかく、体に触れるような仕上げの部分は、必ずしも直角直線でなければならないわけではありません、むしろ、曲線のほうが体に優しい感じを与えます。テーブルや棚、建具の角、床近くの巾木のとんがりなど、ちょっとしたもので思いがけず痛い思いをしたことはありませんか？少し角が丸くなっているだけで、ぶつけたとき、触れたときの痛さ、さらには怪我の大小が違ってきます。小さな心配りですが、子供も大人も安心して安全に暮らすためには、欠かせない配慮ではないでしょうか。

...私たち「雨楽な家」では、無垢の木を扱っているので、こんなことに気を使っています...小さな丸い角は、住まい手に対する愛情の表れです...