ビニールクロスの家に違和感を覚えた日
2025/06/16
家っくりに携わって30年以上、たくさんの家をみて、たくさんの素材に触れてきました。その中でもはっきり記憶に残っている「ある1日」がありました。それはある新築住宅を訪れたときのことでした。
玄関に入った瞬間、ふわっとした空気の違和感、言葉で説明するのは難しいのですが、「無機質」とでもいうのでしょうか。見た目は綺麗、白く整った壁、スタイリッシュな内装。けれど、、胸の奥に何かが引っ掛かる...その原因が「ビニールクロス」だと気づくまで、そう時間はかかりませんでした。
ビニールクロスは安価で施工性も高く、メンテナンスも楽だと言われています。確かに工業製品としては正解なのかもしれません。でも、私にはどうしても「暮らしの匂い」が感じられなかったんです。人が長く暮らす空間に、手触りや香り、時とともに味わいが深まる、素材の存在は欠かせません。そう思うようになったのは、その違和感をきっかけに、「木の家づくり」を見直したからでした。
自然素材の壁、無垢の木の床.太陽の光や風と相性のいい、呼吸する家。それは「見えない快適さ」言い換えれば、人の五感になじむ空間をつくってくれるのです。
依頼、私は化学素材よりも自然素材を優先するという考えを、家づくりの柱にしています。
もちろん、ビニールクロスを全面的に否定するつもりはありません。予算や暮らし方に応じて、選択技の一つであることも理解しています。また、自然素材でつくる家にしか生まれない「心地よさ」がある。ということもお伝えしたいのです。
...あの日の違和感があったからこそ、私は今、木の香りに包まれる本物の木の家を建てています。もしあなたが、家ってなんだか落ち着かないな」て感じたことがあるなら、それは素材が発している.声.なのかもしれません…...一度、自然素材の家に触れてみてください。そこには、目に見えないけれど、確かな「安心」があります。...