杉と桧の特徴と性質
2020/11/09
もう何度も書いていますが、日本を代表する木である、杉と桧(雨楽でもふんだんに使っている)について再度書きたくなりました。
杉はほぼ日本全域にわたって分布する常緑針葉樹(一年中緑の樹)です,杉の名前の由来は「直ぐ」「直ぐなる」からきているといわれていますが、その名の通り大地からまっすぐに伸び、年輪が明らかなので、杉の年輪を数えることができるのが特徴です。水分のある場所を好むので、沢沿いから中腹にかけて植えられます。心材の部分に水分、鉄分を多く含んでおり、伐採時には含水率が高く非常に重いのですが、乾燥すると強度が増し、腐りにくいという性質があります。桧と共に我が国を代表する貴重な造林樹木で、第二次大戦後、他の木材に比べ成長が早いのと生産性の面から、全国各地で植林が行われました。桧に比べると柔らかい杉は、柱に使えても梁には使えないと考えられていましたが、現在では色々な調査が進み、強度の確かさから全ての構造材に、また床板などの内装材、建具材としてまるごと利用されるようになりました。また製材してから十分に乾燥させることで、温和で温もりがあり年数が経って木目.木肌の美しい良材となっていきます。
桧は杉についで造林面積が広く、日本の代表的な木材ですが、杉とは対照的に比較的水分の少ない場所を好み、尾根付近に植えられます。「火の木」=「火起こしに使う木」ということが名前の由来と言われている桧は、火を起こせるほど内部までよく乾燥していて、狂いも生じにくいという特性を持ち、古くから建築に用いられてきました。針葉樹の中では成長が遅く、同じ樹齢の杉よりも伐採期が遅いため、杉に比べてどうしても割高になりますが、材質が緻密で色調が良く、加工性に優れている他、シロアリや木材不朽菌に対する耐久面、香りによる鎮静作用、気分を和らげる快適性増進作用など、多種多様に優れた性質を持ち、我が国でも非常に多くの用途に使われています。心材の赤み部分については耐久性が高く、しかも長期間の水質に耐えることができるため、住宅の土台や、家庭のまな板など幅広く使われています。...「雨楽な家」では、土台.柱.床材は桧、梁.天井材.壁材は、杉を使っています...