見直される「土壁」
2021/02/15
土壁は、古くから使われている酒蔵や貯蔵庫でよく見られます。その理由は、気温や湿度を調整してくれる力にあります。日本の気候は、四季によって気温が大きく変化し、さらに雨が多く、多湿という特徴があります。しかし、酒造りには湿度や気温の調整が必要になるため、調湿性に優れた土壁が酒蔵などに活用されました。また、土壁の家は夏はひんやりと涼しく、冬は優しい温かさを持続しやすい特徴があります。様々な季節が訪れる日本で、最も快適に過ごせる壁だと言っても過言ではありません。
土壁の優れている主な特徴は
調湿作用...土壁には湿度を調整する作用があります。湿度が高ければ空気中の水分を吸収し、湿度が低ければ水分を放出して過度な乾燥を防ぎます。日本における梅雨の時期はジメジメと不快な天候ですが、土壁の家であれば湿気を吸い取ってくれるため、室内干ししても快適です。また、冬に多い結露も防止してくれるため、結露によるカビの発生やシックハウス対策にも有効とされています。さらに、水分だけでなく空気の通りも良いため、窓を開けて換気をしなくても常に室内の空気をキレイに保つことができます。土壁はまるで生きているかのように水分や空気を吸ったり吐いたりするため、「呼吸する壁」とも言われます。
断熱機能...土壁は、熱や冷気を逃しにくいという性質を持っています。そのため、冬場は暖房の温かさを維持しやすく保温性に優れています。一般住宅では隙間風や窓際の寒さが目立ちますが、土壁の家はほかほかとした自然のぬくもりを感じることができます。調湿作用によっても体感温度が快適に感じやすいことも、温かい理由のひとつです。極端な温度変化を嫌う醤油やお酒造りの蔵に土壁が使われているのも、こうした断熱性能を利用しているためです。...夏はひんやりと涼しく感じます。
防火機能...土は本来、燃えにくいものです。そのため、土壁は耐火性に優れています。また、土壁は火に接触して温度が上がっても有害な化学物質を放出しません。建築基準法の観点から見ても、安全な防火構造として認められています。
脱臭作用...土壁には、家にこもりがちな生活臭を匂いにくくする性質があります。
...当社でも、雨楽な家」で土壁の採用を考えたことがありましたが、コストや工期etcによりとりあえず断念しました...