注文住宅Q&A

トップ > Q&A > 木の家 > 無垢材・漆喰などの自然素材を使った木の家について。

無垢材・漆喰などの自然素材を使った木の家について。

自然素材を使った木の家とは? 

自然素材を使った木の家とは、建材に無垢材や漆喰、珪藻土や和紙、石材などの天然素材を使った家のことです。建材のすべてを自然素材にするのは難しい場合もありますが、その多くに自然素材を使い、特に壁や床など見えたり触れたりするところに自然素材を多用している場合は自然素材の木の家と呼ばれることが多いでしょう。

自然素材を使った木の家と他の家との違い

 

一般的な住宅は、木材も使いますが、新建材と呼ばれる化学製品を使った建材も多用します。ビニールクロスだったり、塗装を施した合板だったりがそれです。自然建材を使った木の家は、そういった新建材をほとんど使うことなく、無塗装や、木の質感や呼吸を損なわないオイル塗装などのみを施した無垢材などを使った家です。

無垢材を使った木の家のメリットとデメリット

 

無垢材を使って家は素敵ですが、メリットとデメリットがあるのも確かです。その両方を知ったうえで、自分のライフスタイルに合った家にするとよいでしょう。

無垢材を使った木の家のメリット

無垢材を使うことで、木の質感を楽しんだり、健康的で快適な住み心地を得ることができます。ここでは、無垢材を使った木の家のメリットをいくつかご紹介しましょう。

ナチュラルであたたかみのある木の質感

無垢材を使うメリットは、なんといっても天然の木のもつあたたかい質感です。無垢材を使うだけでシンプルでナチュラルな素敵な雰囲気になります。もちろん自然と居心地も良い空間になりますので、インテリアの面から無垢材を選ぶ人も多いです。

シックハウス症候群の心配がない

新建材は、その素材として化学物質を使っていることが多く、接着剤などに使われているそれらの物質は少しずつ空気中に揮発して人の体に取り込まれることがあります。人によっては、それらの成分に対してアレルギーのような症状を起こすことがあり、それがシックハウス症候群と呼ばれるものです。自然素材を使った家は、化学物質を使わないため、シックハウス症候群の心配がありません。

調湿作用に優れている

天然の無垢材や漆喰の壁は、それ自体が調湿作用を持っていることで知られています。空気中の水分が多いときはその湿気を吸って、空気が乾燥すると含んだ水分を放出することで、空気中の湿度を一定に保とうするのです。

心地よい肌当たり

手や素足で触れたときの心地よい肌当たりも無垢材のメリットです。夏でもサラサラしてべたつかず、冬でもひんやりしません。床材などにしたときも、合板フローリングに比べ硬すぎず、転倒しやすい小さなお子さんやお年寄りの方でも安心です。

経年変化を楽しめる

新築の時は木の匂いが気持ちのよい木の家ですが、年月が経つにつれてその匂いが消える一方で表面には独特のツヤが出て、深みのある色になります。木の種類によっても異なりますが、そうした経年変化が楽しめるのも無垢材ならではです。

掃除がしやすく楽

手入れが大変と思われがちな無垢材ですが、日々の掃除は決して手間がかかるものではありません。天然の調湿作用と断熱効果で結露が少なく、カビが生える心配もないので、普段はサッと掃除機をかける程度で大丈夫です。

無垢材を使った木の家のデメリット

もちろん無垢材を使った木の家にもデメリットはあります。住宅を建てる上では大切な点も多いので、よく検討することが必要です。

湿度で伸び縮みする

湿気を吸収して空気中の湿度を下げ、空気中が乾燥しているときは含んだ水分を放出して湿度を上げることによって湿度を一定に保とうとするのは無垢材の大きなメリットです。しかし、無垢材自身は湿気を含むと膨張し乾燥すると縮んでしまいます。無垢材の家で木と木の間にわずかな隙間を作っているのは、そうして膨張することを計算しているからです。秋冬など乾燥する季節にはその隙間が大きくなったり、場合によっては木が反り返ったり割りが出ることもあります。強度には問題ありませんが、こうした症状が気になる人もいるかもしれません。

汚れや傷がつきやすい

無垢材は表面をコーティングしていないため、水や汚れが付いたらすぐに拭かないと染み込んで取れなくなってしまいます。そうなるともう表面を軽く削る方法しかありません。また、表面が柔らかいので硬いものをぶつけると凹みができますし、重いものを引きずると傷になってしまいます。

こうした傷や汚れは住んでいるとどうしても出来てしまうので、こうした面も含め無垢材の味や経年変化として楽しむ気持ちが大切です。

価格が高め

木の家はそれぞれの建材が新建材に比べて高めなのに加えて、工期も長くなることが多く、建築費用がつ上の家に比べて高くなりがちです。材料や間取りによってはかなり費用に違いが出るので、あまりコストを重視する場合は木の家を建てるのは難しくなります。

木の家によく使われる無垢材の種類と特徴

 

木の家に使われる無垢材の種類は一つではありません。木の種類によって、さまざまな特徴があるので、好みや機能を考えながら、それぞれ適した場所で使うことが快適な木の家を作るには大切です。

ヒノキ:耐久性があり、香りがいい最高の無垢材

昔から高級木材の代表格であったヒノキは、香りがよく耐久に優れた木材です。油分を含んでいるため水にも強く、居室だけでなく、水回りにも使うことができます。ヒノキ風呂など、今でも風呂材として使われる理由

スギ:加工がしやすく、安価

スギは安価で柔らかい木ですので、加工がしやすいというメリットがあります。また、柔らかいということは空気を多く含んでいるため触ったときに温かく、無垢材の心地よさを感じやすい木材です。ただし、柔らかくて傷や凹みができやすいので、あまりそれを気にせず経年変化として受け入れるか、使う場所を選ぶことをおすすめします。

マツ(パイン):粘り強さから梁や桁など横架材に最適

マツは、ねじれながら成長する木ということもあり、柱などにはあまり使われません。ただし、厳しい環境でもたくましく育つ粘り強さがあるため、昔から梁や桁などの横架材に使われてきました。曲がったマツの木材をそのまま梁として使っている古い家屋を見たことがある人もいるでしょう。

日本のマツは高級木材として梁や桁、最近ではフローリングなどにも使われていますが、安価な木材で知られるパイン材も実は輸入したマツの材木です。節が多いため使う場所や好みは分かれますが、ナチュラルで温かい雰囲気になることから、好んで使う人も少なくありません。

ナラ(オーク):優れた耐水性で水回りにおすすめ

硬くて丈夫であることから、建材として人気の高い無垢材です。木目が美しく、壁材やフローリング材としても使われます。昔からワインの樽の材料としても使われてきたように耐水性にも優れており、台所などの水回りに使うのもおすすめです。

カエデ(メープル):つるつるした肌触りと光沢

カエデは、硬く表面はつるつるした肌触りで光沢があります。フローリングに使っても丈夫ですし、その硬さを生かして敷居などにも使われる素材です。木目も美しいため、どこにでも使いやすく、丈夫なので木の家でも好んで使われることが多いです。

ウォールナット:衝撃に強く、重厚感ある焦茶色の高級材

焦茶色の色目が特徴の高級材です。落ち着いた色なので、インテリアのアクセントとしても上品で、高級感のある仕上がりになるため人気の木材になります。丈夫で衝撃にも強いので、建材はもちろん、家具などにもよく使われる素材です。

カバ(バーチ):衝撃吸収性があり、明るく緻密な木肌

明るい色目で緻密な木肌であるため、建材として使いやすい無垢材です。木目も美しく、どんな部屋にも合いやすいのもメリットです。ゆがみや反りが出にくいことでも知られており、フローリングをはじめさまざまな場所に使われます。

クリ(チェスナット):優れた耐久性と耐水性

クリは耐久性と耐水性に優れた硬い木材です。独特の美しい木目を持つことから、存在感のある仕上がりになるので人気の素材で、昔から寺社の建築などにも広く使われてきました。経年変化をしても美しく味わいのある趣になるので、無垢材の魅力を存分に味わうことができるでしょう。

壁材の種類と特徴

 

自然素材の家で使うのは、無垢の木材だけではありません。壁材としても自然素材のものを使いますが、漆喰や珪藻土、シラスはそれぞれ異なった特徴があります。

漆喰:防カビ・抗菌性・消臭性があって、丈夫

漆喰とは、消石灰に糊などを加えて水で練った塗り壁材です。消石灰は石灰石を焼いて水を加えたもので、二酸化炭素を取り込み呼吸をしながら100年以上かけて少しずつ固まり石灰石に戻っていきます。この呼吸作用により、漆喰の壁は部屋の湿度を調整し、快適に保つことができるのです。もちろん自然素材ですのでシックハウス症候群の心配もありませんし、燃えない素材ですので火災対策になるため、キッチンなど火気が気になる場所にも使えます。

また、漆喰は塗り壁材ですので、塗り方によってさまざまな表情を生み出すことができます。フラットに塗ってシンプルに仕上げたり、波模様や凹凸をつけることでおしゃれでラフな雰囲気にすることも可能です。同じ素材で違った仕上げにできるのも、塗り壁材のおもしろいところです。

珪藻土:燃えにくく、優れた調湿作用

珪藻土は、土のようなイメージを持たれがちですが、その原料はもともと植物プランクトンの一種です。珪藻と呼ばれる藻の一種が、海底や川底などに堆積して化石化したものが珪藻土です。

目に見えないほどの細かい孔が無数に空いており、室内の湿気を吸収したり水分を放出することによる調湿効果があります。調湿の点では漆喰よりも優れているため、水回りなどで使われることも多いです。また、燃えにくく火災対策にも適した素材で、漆喰と並んで人気の壁材です。

ただし、珪藻土はそれ自体では固まらないので、つなぎとなる他の素材と混ぜて使う必要があり、混ぜる素材によって違いが出るので、その点は注意が必要です。

シラス:火山灰を原料とした100%天然素材

シラス壁は、昔から使われていた漆喰や珪藻土に比べると割に新しい壁材で、火山から噴き出したマグマが火砕流となって堆積したものです。マグマが急激に冷えて固まったもので、粒子には非常に細かい孔が開いており、いわゆる天然のセラミックのような物質です。また、非常に丈夫な素材でもあります。

細かい孔が開いていることから保湿効果が非常に高く、匂いなどもほとんどありません。紫外線などにも強いので外壁に使っても劣化することなく、それでいてさまざまなデザインの壁にできるというメリットもあります。珪藻土などに比べるとやや高価になるので、その点はデメリットになるでしょう。

外壁と屋根材

 

室内空間を快適にするために自然素材を使うだけでなく、外壁や屋根材も自然素材を原料としたものが人気です。自然素材といっても、壁や屋根は素材によってかなり違った雰囲気になるので、いろいろ比較して検討するとよいでしょう。

外壁

外壁に使われる自然素材は、漆喰や珪藻土を使った塗り壁のほか、木や鋼板を使ったものなどさまざまです。

塗り壁

外壁に使う塗り壁の代表的なものが漆喰です。漆喰は、古くから蔵やお城にも使われていたように耐久性や耐火性が高く外壁に適した素材です。

最近では、伝統的な漆喰だけでなく、他の自然素材を混合して色や風合いに個性を持たせた塗り壁材も各社から発売されており、色や目の粗さ、塗り方などでさまざまな表情を持たせることも可能になっています。ただし、塗り壁は下地をしっかりしておかないと割れが生じやすくなる他、施工する職人の技術によって仕上がりが左右されるので、信頼できる業者に依頼することが大切でしょう。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛を混合した合金を鋼板にメッキしたものです。軽くて丈夫ながらもさびにくいため、外壁に使っても長くきれいな状態を保つことができます。

ガルバリウム鋼板の外壁というと、縦筋の入った黒や濃茶のスタイリッシュな外観の家をイメージする人が多いですが、デザイン豊富で、レンガ調や木目調のものもあり、ナチュラルな雰囲気にすることも可能です。

スギ材

木材を使った外壁の大半が、スギ材を材料としたものです。昔は住宅の外壁にスギ材を使うのは一般的でしたが、最近では少なくなりました。しかし、自然素材特有のナチュラルな雰囲気があり、施工費も抑えられるということもあって、最近ではスギ材の外壁を選ぶ人も増えてきています。

スギ材の外壁と言っても、無垢材をそのまま使って経年変化を楽しむ場合もあれば、初めからある程度色が変わったような保護塗料を塗ることもありますし、白やブルーなど明るい色にカラーリングして使うこともあります。また、表面を焼いて炭化させることで耐久性を高めた焼杉を使うという方法もあります。

屋根材

自然素材を使った屋根材の代表的なものはやはり瓦です。しかし、最近では壁材としても使われるガルバリウム鋼板を屋根に使う家も多くなっています。

昔から日本の住宅で多く使われていた屋根材は瓦です。粘土を成形して焼くことによって作られます。釉薬をかけて焼く陶器瓦や、焼いてから塗装を行ういぶし瓦、焼き物の自然な風合いを生かした素焼き瓦などの種類があり、それ以外にも粘土以外の素材を使うものとしてセメント瓦やコンクリート瓦があります。

基本的には耐久性が高く、断熱性・防音性にも優れていますが、施工に手間がかかるので施工費が高くつくことや、重い瓦を使った場合に耐震性が下がるといった懸念から違う屋根材を使ったり、軽量瓦を選ぶ人も多いです。

ガルバリウム鋼板 

ガルバリウム鋼板は、外壁にもよく使われるもので、ベースとなる合板の表面にアルミニウムと亜鉛の合金をメッキしたものです。粘土製の瓦には劣りますが、それでもほかの屋根材と比べると耐用年数が長く、施工も簡単で重量が軽いことも人気の理由です。

ただし、断熱性や防音性は高くありませんので、使う場合はそれとは別に断熱性や防音性を高める工夫をすることが必要になるでしょう。

シンプルでスタイリッシュな外観を好む人に選ばれることが多い屋根材です。

メンテナンス

 

自然素材を使った家は憧れるけど、メンテナンスが大変そう、というのもよく目にする意見です。実際のところ、自然素材の家のメンテナンスとしては、どのようなことが必要なのでしょうか。

無垢材

無垢材のフローリングや壁などのメンテナンスは、人によって大変かどうかの意見が分かれるところです。

水拭きはあまりできないので、日々の掃除は掃除機や箒で表面のゴミをとるだけになるでしょう。水をこぼしたり、しょうゆやケチャップなど液体の汚れがついてしまうと、染み込んで取れなくなってしまうので、すぐに拭き取る必要があります。年に1回浸透性のワックスをかけることで、きれいな状態を保ちつつ、経年変化による味わいが出てくるのも無垢材の魅力です。

汚れたら洗剤でこすったらすぐに取れるようなコーティングを施した床材に比べると大変に思われるかもしれませんが、染み込んだ汚れはある程度であればやすりなどでこすってワックスをかけなおせばわからなくなります。硬いものを落とすなどしてできた凹みは、濡らしたティッシュをおき水を含ませ軽くアイロンで温めてやれば元にもどることも多いです。

コーティングにひびが入ったり、凹みができたら元には戻らない合板のフローリングに比べると、その点で逆にラクだと感じる人もいるでしょう。

自然素材の床としては、フローリングやタイル、土間などがあります。部屋や廊下の床としては無垢材を使ったフローリングが最も多いでしょう。無垢材のフローリングは年一回のワックスのほかは、掃除機や箒で埃をとったり、水気のあるものをこぼさないように気を付ける程度で大丈夫です。

タイルや土間は、汚れにくいのはもちろん、水気にも強いので玄関や洗面所など、汚れやすい場所や水がこぼれやすい場所で使われることが多いです。タイルといっても陶器や素焼きのものだけでなく、最近では竹や籐を編んだものなどもあり、使う場所によってバリエーションが豊富なのも魅力ですが、いずれも基本的には水に強いので汚れても水拭きなどできれいになりため、メンテナンスは非常にラクです。

 自然素材の壁としてよく使われる漆喰や珪藻土の塗り壁は、メンテナンスも難しくはありません。基本的には汚れにくい素材なので、気になったらその部分の汚れを落とすようにしましょう。漆喰や珪藻土は水拭きができないこともありませんが、放置するとシミになるので、まずは消しゴムでこすってみるのがおすすめ。それでも取れない場合は、水拭きをするか、サンドペーパーでこすって汚れを落とします。

建築時に、残った珪藻土や漆喰などを譲り受けておいて、汚れた部分だけ上塗りをするのもおすすめです。壁によっては水拭き厳禁というケースもあるので、説明書などを確認してからおこないましょう。

木の壁の場合は、無垢材であれば水拭きはせずに、はたきなどで落とす程度で、ささくれができたらサンドペーパーで軽くこするくらいでいいです。それ以外はほとんどメンテナンスフリーで大丈夫です。  

自然素材を使った木の家の気になるところ

 

自然素材を使った木の家は、あたたかみがあり、シックハウス症候群などのリスクがないうえに、断熱性や防音性にも優れているため、住み心地が良いことで知られています。しかし、気になる点もないわけではありませんので、その点はしっかりチェックしておきましょう。

耐震性

 木の家は地震に弱いと思われているかもしれませんが、実はそん なことはありません。日本は地震の多い国ですが、何百年も前に 建てられた寺社が残っていますし、そうした建物の殆どは木造建 築です。

 木は石や鉄に比べて柔らかい素材だからこそ、地震の揺れに併せ て建物が揺れることで揺れの衝撃を吸収し、倒壊を免れるので  す。ただし、構造そのものはしっかり耐震性を持たせた設計にす ることが大切ですし、柱や梁の接合部分が弱いと耐震性は下がっ てしまうので金具などで部分的に固定します。

暖房

木の家の暖房で悩ましいのが床暖房をどうするかということです。木の家では無垢フローリングを使うことが多く、無垢フローリング自体が自然の床暖房のようなもので、真冬裸足で歩いてもほんのり温かいです。

無垢フローリングは熱に弱いため、床暖房が使えないものが多く、ホットカーペットなどを敷く場合も、断熱シートを挟まないと無垢材が反れたり割れたりする原因になります。

どうしても床暖房にしたい場合は、多少コストは上がりますが床暖房対応の無垢フローリングもあるのでそれを選ぶのがよいでしょう。またせっかくの木の家なら、床暖房よりは薪ストーブを使った暖房もおすすめです。

結露

自然素材を使った木の家では、無垢材や漆喰、珪藻土などを内装に使うことが多いです。こうした素材は調湿効果が高いことでも知られています。どれも空気中の湿度が高い場合は水分を吸収し、部屋が乾燥したらそれを放出することによって部屋の湿度を一定に保ち快適です。

部屋の湿度が高く、窓の内側と外側の気温差が大きくなると窓の内側に結露してしまいますが、部屋の湿度が一定な木の家は結露がしにくいのです。

とはいえ、結露した場合、水分が床などの木を濡らしたままになるとカビが生えるリスクもあるので、窓を二重にすることで断熱性を高めるのもおすすめです。

断熱材

木の家は内壁も外壁も自然素材を使う場合が多いのですが、断熱材も自然素材のものを使うことができます。間伐材を使ったものや、新聞紙をリサイクルしたもの、羊の毛を原料としたものなど、自然素材の断熱材にもさまざまなものがあるので、いろいろ比較してみてはいかがでしょうか。

シロアリ


木を使っている以上、白アリのリスクはどうしてもゼロにはなりません。とはいえ、一般的な住宅の多くは構造部分には木を使っていますから、自然素材の家特有のリスクというわけでもないのです。

対策としては、床下など湿気が溜まりがちなところの通風を考えて通風孔などを設置したり、防虫効果のある天然素材の薬品を使ったり、高温殺菌をして防虫加工を行う場合もあります。また、モミやマツなどは柔らかくてシロアリが好むとされているので、シロアリが苦手なケヤキやヒノキを使うのも対策になります。

無垢材を使った木の家を建てる前に知っておきたいこと

 

無垢材を使った木の家は心地よいものですが、もちろん気を付けるべき点もあります。良いことばかりではないので、その点も考慮してから建てるかどうかを判断するようにしましょう。

傷や汚れも味わいに

無垢材は、傷や汚れをつけずに使うことが困難な素材です。硬い種類の木を選んでも、使っているうちに、傷や汚れはどうしてもついてしまいます。それを長く使ってきた味わいとして愛着を持って過ごすことができなければ、心地よいはずの無垢材がストレスになりかねません。新品のような状態を保つのではなく、傷や汚れが付くのは当たり前と思って過ごすことが大切です。

ある程度のお手入れは必要

無垢材はそれほどメンテナンスが大変なものではありませんが、ある程度のお手入れは必要です。できれば年1回、少なくとも数年に1回はワックスを塗り、水やしょうゆなどをこぼしたら染み込まないようにすぐに拭き取る、椅子などの家具はできるだけ傷がつきにくいものを選び、傷が気になる場合は早めのケアを行うなど、日々の生活の中で負担にならない範囲内でのお手入れはしていきましょう。

色の変化など経年変化を受け入れる

無垢材は使っているうちに色が濃くなったり、色目が変わったりしていくものです。これは、無垢材ならではの経年変化で、品質に問題があるわけではありません。こうして経年変化をすることで、無垢材には艶が出て、味わいのある表面になっていくので、変化を受け入れて楽しむようにしましょう。

国産材と輸入材の違いを知っておく

狭い日本で育つ国産材は数が限られていることもあり、日本で使われている無垢材の多くは輸入材です。一般的には価格も輸入材のほうが安くなりますが、海外で育った木は年輪が大きく、乾燥した時に反りや割れが出るリスクが高いともいわれます。

また、日本の住宅に使うものですから、国産材のほうが日本の風土に合っているうえに、年輪が狭いためそりや割れも少なく安心です。輸入材が一概に悪いというわけではないので、使う種類や場所、品質などを良く吟味して使い分けることが大切です。

木の家の間取りに取り入れたいもの

 

無垢材を使った木の家を建てるのであれば、間取りを工夫することでよりその特徴を生かした心地よい家にすることができます。日本の住宅に昔から取り入れられてきた土間や縁側などを作る家も増えています。

土間

玄関だけでなく、キッチン周りや庭とリビングの間など、さまざまなところに土間を作ることができます。土間があることで、荷物の置き場ができたり、お客さんがちょっと座っておしゃべりできる空間ができたりと、その使い方も自由で多彩です。汚れても掃除がしやすく、水で流したりもできるので、小さな子供が汚れたまま外から帰ってきても安心で、ペットのお世話をするスペースとしても使えます。

建物の内と外を仕切る中間のスペースとして、自然と共生する木の家にはとてもお似合いの空間でしょう。

縁側

木の家は、冷暖房を最低限にしても夏涼しく冬温かい家になるように作られます。そのため、屋根の庇を大きくとり、夏は日差しをしっかり遮って、冬は日光が入るような設計をすることが多いです。その際に、縁側があればちょっと庭の草木を眺めたり子供が遊んだりするスペースとして、快適に使うことができるでしょう。

畳コーナー・和室

最近は和室を設けない住宅も増えていますが、畳も自然素材を使ったものですから木の家のコンセプトには合った素材です。また、畳のスペースがあることで、床に直接座ってくつろぐこともできますし、小さな子供が転んでも安心です。木の家のナチュラルなインテリアは、畳スペースにもよく合うのでリビングの一角に畳を敷くのもおすすめです。

屋根裏部屋 

木の家は昔ながらの日本家屋の構造をとることが多く、屋根は切妻屋根や、寄棟、片流れなど、いずれにしても角度をつけた屋根にするのが一般的です。そうなると屋根裏のスペースができますので、そこを屋根裏部屋にするのはいかがでしょうか。自然素材の瓦などを使った屋根は断熱性も高いので意外と快適な空間になりますし、物置や子供秘密基地などさまざまな使い方ができます。

取り入れたい設備

 

せっかく自然素材の木の家を建てるのであれば、設備にもこだわりたいところです。ここでは、木の家を快適にするおすすめの設備をご紹介します。

薪ストーブ

木の家は、断熱性と調湿性に優れているのがメリットです。とはいえ床暖房が使いにくいということで、薪ストーブを導入する家が増えています。

薪ストーブは、普通の住宅で使うと結露したり、部屋が温まりにくかったりするのですが、断熱性が高い木の家ならしっかり暖めてくれて、しかも結露などの心配もありません。

遠赤外線効果で体の芯からポカポカ温まりますし、揺れる炎は眺めているだけでも心が休まります。また種類を選べば、お湯を沸かしたり、煮込み料理ができて、よりエコで快適に充実した木の家の暮らしができます。

建具・造作家具

無垢材のフローリングに合わせて、同じ素材でドアや階段などの建具を作ったり、家具もオーダーメイドでセットしてもらうことも可能です。床と同じ素材とを使うことで一体感のあるインテリアになりますし、無垢材のナチュラルさを存分に生かした内装になります。もちろん手触りもよく、自分好みに作ってもらえるので、使い勝手も抜群です。

ハンモック・ブランコ

木の家は、家に入った瞬間に森林にいるような自然の香りに包まれます。部屋の中にハンモックやブランコを設置すれば、まるで自然の中でくつろいだり遊んだりしているような気分を味わえるでしょう。インテリアの面でもナチュラルなハンモックやブランコは木の家によく似合って素敵です。

まとめ

 

自然素材を使った木の家の人気が高まりつつあります。もともと日本では木や漆喰などの自然素材を使って家を建てるのはごく自然なことで、こうした家は日本の風土にも合って快適でした。

最近は新建材を使う家が増えたこともあって、木の家はそれほど多くはありませんが、やはり住んでみてその良さを実感するという声が多く、自然素材の良さが見直されています。

家のどの部分にどんな素材を使うかで、家はずいぶん違ってきますので、間取りだけでなく床や壁、屋根の素材などについて、予算、好み、お手入れなどいろいろな方面から検討して建てるのがよいでしょう。

 

 

 

そのほかの「よくある質問」はこちら

一覧に戻る

お問い合わせはこちら