リシン、左官仕上げ、スタッコなど、モルタル壁の種類5つ。
モルタル壁といっても種類によってさまざまな外観に仕上がります。
モルタル壁の種類
モルタルとは、セメントと砂を混ぜ、水を加えて練り上げた建築材料で、外壁などに多く使われます。壁の外側に防水紙を貼り、ラス網という金属の網を置いた上から専用の器具で吹き付けたり、コテで塗ったりして仕上げます。モルタルにはいくつかの種類があるので、どれを使うのかを選ぶ必要があります。
リシン
リシンは、モルタル壁の中でもよく使われているもので、細かく砕いた石や砂を塗料に混ぜて吹き付ける方法です。ザラザラした風合いが特徴で、混ぜる砂利の大きさなどによって仕上がりの風合いは異なります。独特の落ち着いた風合いがあり、コストも安いのがメリットですが、凹凸があることで汚れが付着しやすいことや、硬く固まるためひび割れが生じやすいなどのデメリットもあります。きれいに保ち、ひび割れを補修するための再塗装が定期的に必要です。
左官仕上げ
職人がコテを使用して仕上げる方法で、表面を平らにしたり逆に凹凸をつけてハンドメイド感のある仕上がりにするなど、デザインの自由度が高い方法です。ただし、仕上がりが職人の技術力によって左右されるため、信頼できる職人に依頼することが必要になりますし、職人や使う材料によってはコストが高くなってしまうこともあります。
誰でもできるわけではない分、施工期間が長くなる場合もあるなどのデメリットもあります。
スタッコ
スタッコは、砂や合成樹脂を混ぜた塗料を吹き付けるという点でリシンに似ていますが、リシンよりも厚みのある仕上がりになるのが特徴です。高級感があり、リシンより耐久性も優れているので、メンテナンスも含めるとコストパフォーマンスは悪くありません。それでも凹凸がある分、汚れの付着は防げません。吹き付けたまま仕上げる方法のほか、吹き付けた後にローラーで表面の角をつぶす方法もあります。
吹き付けタイル
タイルという言葉が入っていますが、一般的にイメージするタイルを使うわけではなく、「ボンタイル」という商品名がその名の由来です。
下塗り・中塗り・上塗装と3回の塗装が必要ですが、施工スピードは速く、砂利などの骨材を入れないため、表面が滑らかに仕上がります。ひび割れもしにくく、耐久性が高いのもメリットですが、施工には一定の技術力が必要になるので、信頼できる職人さんにお願いするのが良いでしょう。
リシンかき落とし
リシンを吹き付けるのではなく、コテで塗って最後に剣山などで引っ掻いて重厚感を出すと同時に、表面積を広くすることで通気性をよくして耐久性を高めることもできる方法です。塗るのも引っ掻くのも手作業になるので、コストは高めになります。
まとめ
モルタル壁はどの種類を選ぶかによって、雰囲気も耐久性も異なってきます。以前ほど多くの住宅で使われることはなくなりましたが、窯業系サイディングにはない風合いやメリットがあるため、現在でも選ぶ人は少なくありません。
それぞれのメリットとデメリットなどを比較して、好みに合ったモルタル壁を選ぶと良いでしょう。