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社長のひとり言

縁側

最近の建物では、ほとんど見ることがなくなった縁側ですが、その歴史は古く、平安時代の絵巻物には寝殿造りの建物の中心となる母屋の外側に板敷のひさしの間が描かれています。控室や通路、宴や管弦の場に幅広く利用されたこのひさしの間が縁側の起源とされ、書院造り住宅でも、主座敷と庭園の間には縁側が設けられました。複数の座敷が連続する構造が出来ると、その外側に連なる縁側は廊下の役割を持つようになります。江戸時代には民家にも設けられ、座敷と縁側の間に障子が、庭に面する外側に雨戸が入るようになりました。

室内にいても自然を感じ取れる縁側は、家の内外の中間という「あいまい」な場所で、外側にガラス戸、雨戸があって閉めれば室内になる内縁と、軒びさしの下で雨に濡れる濡れ縁があります。「あいまい」な場所を排除してきた現代日本の住宅には、縁側はあまり見られなくなっていますが、現在、テラス戸につなげて後付け可能な濡れ縁の人気が高まっているそうです。腰掛けてお茶を飲む、冬のひなたぼっこなど、暮らしにゆとりを生む空間とるることが期待されます。

...現代の人々は「癒しの空間」を求めているようです。...

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