土地のかさ上げで気になるメリット・デメリットは?新築でやっておきたい住宅の浸水対策ガイド
目次
近年は記録的な集中豪雨や台風の影響により、各地で浸水被害が発生しています。
新築を検討する際、できるだけ浸水リスクを減らしたいと考える方も多いのではないでしょうか。住宅の浸水対策にはさまざまな方法がありますが、中でも代表的なのが「土地のかさ上げ(盛り土)」です。
この記事では、かさ上げのメリット・デメリットを中心に、国土交通省による「浸水の予防・人命を守る家づくり」にも紹介されている対策について、深掘りしながらご紹介していきます。

住宅の浸水対策1:土地のかさ上げ(盛り土)
土地のかさ上げとは、家を建てる前の敷地に土を盛って地盤面を高くし、その上に建物を建てる方法です。数十cmの高さでも、膝下程度の浸水であれば被害を防げる可能性があり、シンプルで効果的な対策といえます。
かさ上げのメリット
✓浸水リスクを軽減できる
敷地自体の高さを上げることで、雨水や河川の氾濫による水の流入を物理的に防ぎやすくなります。数十cmのかさ上げでも、床上浸水を防げる・被害を最小限にできるケースがあり、比較的効果を実感しやすい対策です。
✓建物全体を守りやすい
建物そのものではなく「土地全体」を高くするため、基礎や設備を含めて家全体を浸水から守ることができます。電気設備や給排水設備への被害リスクも抑えやすくなります。
✓比較的シンプルな施工で対応可能
建物の構造を大きく変える必要がなく、造成工事として対応できるため、他の浸水対策と比べて取り入れやすい方法です。新築の設計段階から検討することで、無理のない形で導入できます。
かさ上げのデメリット
・高さに限界がある
かさ上げできる高さにはコストや敷地条件による制限があります。想定以上の浸水が発生した場合には、完全に防ぎきれない可能性もあるため、ハザードマップなどで想定浸水深を確認しておきましょう。
・土の重量によって地盤に負担がかかる
盛り土を行うことで地盤にかかる荷重が増えるため、もともとの地盤が弱い場合は沈下、部分的に沈む「不同沈下」のリスクが高まります。調査をして、問題がないか事前確認が必要になります。
・造成費用がかかる
土の搬入や整地、必要に応じた地盤改良などが発生するため、数十万円〜数百万円単位の費用がかかる場合もあります。高さや敷地条件によって費用は大きく変わるため、事前に見積もりを取ることが大切です。
住宅の浸水対策2:高床にする
家の基礎部分を高くしたり、1階部分をガレージ(ピロティ形式)にすることで、居住部分を高い位置に設ける方法です。浸水リスクのあるエリアでは特に有効で、建物内部への被害を大きく軽減できます。
メリット
・居住スペースへの浸水を防ぎやすい
・電気設備や家具を守りやすく、復旧コストも軽減できる
デメリット
・建築コストが上がりやすい
・階段の上り下りが増え、高齢者やお子さまの負担になる可能性がある
・高さや斜線制限など、建築制限がかかることがある
住宅の浸水対策3:塀や止水対策で水の侵入を防ぐ
敷地をコンクリートなどの丈夫な塀で囲むことで、敷地への浸水を防ぐ方法です。出入りを行う門扉の部分は水が浸入しやすいので、土のうや止水板などを併用する必要があります。
地域によっては、自治体から助成金が出ることもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
メリット
・敷地への水の侵入を抑えられる
・部分的な対策として取り入れやすい
デメリット
・完全に防げるわけではない
・水の逃げ場がなくなるリスクがある
住宅の浸水対策4:建物自体の防水性を高める
建物の外壁に耐水性のある素材を使ったり、防水材を外壁に塗布するなどして、建物自体の耐水性を高める方法です。浸水を完全に防ぐものではありませんが、被害の軽減や建物の耐久性向上につながります。
ただし、防水性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要になるため、長期的なコストも考慮しておきましょう。
メリット
・建物内部への水の侵入を抑えられる
・建物の耐久性向上につながる(劣化や腐食の進行を抑える)
デメリット
・浸水そのものを防ぐ対策ではない
・定期的なメンテナンスが必要
万が一に備えた浸水害対策を
近年は集中豪雨などが多くなったこともあり、毎年あちこちで浸水被害が発生しています。ハザードマップなどでその土地の危険性を確認しておくと同時に、家を新築する際には浸水被害を防ぐ方法を取り入れるなどして、万が一の災害に備えておくことが大切です。
盛り土をしたり、高床にして床面を高くすることで浸水を防ぐほか、塀や外壁で水の流入を防ぐ方法もあるので、土地の状態や家のデザインなどに合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。
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