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茶室という空間に、家づくりの本質を見る

茶室については以前にも千利休の「待庵」や織田有楽斎の「如庵」など、色々な角度から触れてきましたが、今回も、再度「茶室」について書きたいと思います。私が、「茶室建築」が好きな理由として茶室という空間が持つ美しさと静けさにあります。

茶室は、ただお茶をたしなむための場ではありません。余分なものを削ぎ落とし、限られた空間の中に無限の広がりと深い精神性を宿しています。そのあり方そのものが、日本建築の心だと思うのです。

有名な「にじり口」は、身分の上下を超えて、すべての人が頭を垂れて入るためのもの。2畳や4畳半という狭さの中に、無駄のない所作と心配りが詰まっています。そこには「何を足すか」ではなく、「何を削るか」という価値観が息づいています。

この考え方は、家づくりにも通じると思いませんか?

現代の住宅はどうしても、便利さや機能性ばかりが強調されがちです。でも本当に心が落ち着く空間とは、物理的な広さよりもそこに流れる空気や素材の手触り、光と影の調和にあるものではないでしょうか。無垢の木のやわらかな香り、左官の塗り壁が生み出す陰影、軒の出がつくる自然のリズム。そうした「余白」こそが、住む人の心を整えてくれます。茶室の精神に学べば、家とは単なる「建物」ではなく、「場」そのものだと気付かされます。

私たちは、最新設備を詰め込むことよりも、暮らしに必要なものを見極め、削ぎ落とす勇気も必要なのではと考えています。

...そして、そこに「和」の心をそっと宿せたら...

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