「地獄ほぞ」...宮大工から聞いた話

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「地獄ほぞ」…宮大工から聞いた話


木を継ぐ方法はひとつではありません。目的に応じてさまざまな継ぎ方があります。その継ぎ方を「継手」といいます。しかも、継ぎ手は広い意味での木組みのひとつでしかありません。その他に「仕口」と言われるものもあります、これもさまざまなものがあります。継手と仕口を合計したら百ではすまないでしょう。同じ方向に木をつなぎ合わすのが継手、直角でも斜めでもいいから、木と木が交わるようにつなぎ合わすのが仕口です。さらに「組み物」というものもあります。お寺さんの建物を外から見ると、庇の下のほうに、短い木が突き出しているようなところがあります。短い木がいくつも組み合わさって、上に載る太い木を支えていたりします。あの組み合わさったところが組み物です。これも色々なやり方があります。ここまでの話をまとめると、継手、仕口、それに組み物。この三つが広い意味での木組みということになるわけです。継手の中には変わったものもあります。例えば、「地獄ほぞ」という名前の継手です。これはかなりマニアックな継手です。柱を立てる時などに使います。梁の上に柱を立てたいとします。こういうことはよくあるのです。屋根を支える構造を「小屋組み」と言いますが、その場合、短い柱を立てる必要があります。この短い柱を「束柱」と言います。大工の世界では単に「束」と言っています。縁の下などに立てる短い柱も、束です。さて、梁に柱を立てるにはどうしたらいいかということですが、簡単にすませようと思えば、ノミを使って梁に穴を掘り、その穴にちょうど納まるように、束の端に突起を作って組み合わせます。しかし、これでは地震か何かで束が上に引っ張られたり、逆に梁が下に落ちたりしたら、はずれてしまうでしょう。それはまずいから、ちょっとやそっとでははずれないようにしたいと言うことで考え出されたのが「地獄ほぞ」です。束の端に作った突起の脇にクサビをつけて、一緒にほぞ穴に落とし込む。ほぞ穴に落とし込んだら、クサビが扇状に開いてはずれなくなる。しかも、外からはそのクサビは取れない。国宝や重要文化財の保存修理の仕事をしていると、たまに「地獄ほぞ」に出くわすことがありますが、保存修理では解体する場合もたくさんありますから、「地獄ほぞ」にぶつかると往生します。...引っ張ったくらいで抜けるものではないのです。...














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