東求堂(とうぐどう)に学ぶ
2026/02/24
住まいの本質を確かめたくなると、私はふと京都へ足を運びます。とりわけ、銀閣寺の境内に佇む東求堂には、折に触れて訪れています。私の好きな建物の一つです。静かな空気に身を置くたび、「建物の価値は面積ではなく、思想の密度で決まるという確信が、より鮮明になります。
・四畳半に宿る設計の知恵
東求堂の内部にある「同仁斎」は、わずか四畳半です。けれど、天井高の抑制、床の間の設え、視線の抜けを計算した開口部の配置により、実面積以上の広がりを感じさせます。私たちが現代住宅で目指す「コンパクトで心地よい住まい」は、実はこの時代にすでに完成されていたのです。
余白を設計する:物を置かない空間を意図的に残す。
視線を導く:庭と室内をゆるやかにつなぎ、奥行きを生む。
素材で語る:木、紙土。経年変化を美しさに変える選択。
これらは、コストや面積に頼らない「質」の設計思想です。
・住まいを「整える装置」として考える
東求堂は単なる建物ではなく、心を整えるための空間装置でもあります。光はやわらかく拡散し、音は吸収され、季節の気配が静かに入り込む。住む人の所作が自然と丁寧になる。そんな環境が日常の質を底上げします。
現代の住まいづくりでも、私たちは次の点を大切にしています。
1.光の質を設計する:直射ではなく反射光で満たす。
2.動線を簡潔に:迷わない、無理のない動き。
3.自然との関係:窓は景色を「切り取る」ためにある。
...大きく建てることより、長く愛されること。東求堂が教えてくれるものは、流行を追わず、本質に向き合う姿勢です。私たちは、住まい手の暮らしに寄り添い、時間とともに深まる家を一棟一棟丁寧に形にしていきます。...
...小さくても豊かに。
静かでも力強く。
東求堂の精神を、現代の住まいへ。...








