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「木に触れる時間の長さ」が大工の腕を決める(宮大工から聞いた話)


継手、仕口、組み物をどう加工し、どう使うか。それについては専門の本があります。私も、目を通して参考にしたこともありますが、木組みのやり方は何しろ、たくさんあって、本を読んだだけでは限界があると思います。大工の勉強は、色々な現場を経験するのが一番なのです。使っている材木は建物ごとに違うし、立て方だって違う。それをひとつひとつ経験することで、少しずつ知識と技術が身についてくる。また、現場、現場でさまざまな先輩の大工と話をすることも、知識の幅を広げてくれます。





そう考えていくと、やはりプレカットも良し悪しだなということになります。仕事が楽になるのはいいが、仕事を覚えなくなるのではないか。腕を上げていく機会がプレカットを利用する分だけ減ってしまうのではないか。そんなふうに思えてならないのです。プレカットが出てくるまでは、大工が最初から最後まで加工していました。能率は悪かったかもしれないが、それだけ木に触れる時間も多かったのです。





日本の建築技術の将来を考えると、この辺りも、ちょっと心配なところです。便利になったらなったで、また新しい心配が出てくる。世の中というのは難しくできているようです。...





...今の時代、効率的なことも考えるとプレカットをやめて大工の手できざむというのは難しいですが...若手が育たないという宮大工の嘆きも深刻みたいです...










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