い草畳の清々しい香りは、樹木と同じ「フィトンチット」や「α-シペロン」、バニラの香り「バニリン」等の芳香成分によるものです。い草は刈り取られた後、均一に乾燥させるために天然の泥「染土」につけられます。この泥染めの工程によって、い草にバニリンの香りがプラスされ、畳独特の香りが生まれます。

い草畳の香り成分には優れた鎮静作用があり、畳の上で横になると安眠できるといわれています。これを裏付ける実験結果があります。九州大学と熊本県農業センターが行なったい草研究のうちの一つで、眠りへの効果をい草畳とい草畳でない化学製品畳で比較したものです。被験者20人を対象に、それぞれの畳の上で休んだ際の睡眠効率を比較したところ、い草の方が数値が高く、安眠できているという結果が得られました。

強いストレスを自覚した時は、畳の上でゆっくり休むようにすると、心と体の回復を早めることができそうです。

...木や草、土などの自然素材が心地良く香る住まいは、緑の森の中にいるようなものです。...思いっきり深呼吸すれば心安らげる安心感に満ち溢れています...最近は、畳をあまり使用しなくなりましたか、い草などの自然素材を見直すことが大切なのでは...