木の家は火災に弱くないのですか?
実は、木の家は火災に弱いわけではありません。
木は決して燃えやすいわけではありません
暖炉に薪をくべたり、木の枝を拾って焚火をすることから、「木は燃えやすい」というイメージを持つ方は多いでしょう。確かに薄い板や細い木の枝は簡単に燃えてしまいます。しかし、ある程度の厚みがある木材や柱などは、決して燃えやすい素材ではありません。
これは、木が燃えると炭化するという性質が関係しています。太い木を燃やすと表面が焼けて炭のようになりますが、この焦げたところが「炭化層」というものです。木が燃えてしまったように見えますが、実際は表面が焦げただけでこの状態ではまだ中はほとんど燃えていない状態です。そしてひとたび炭化層ができると、そのまま燃やし続けても中に向けて炭化が進むのは1分間に0.6mm程度。しかも、表面が焦げても木としての強度はしっかり保っているので、焼け落ちるまでにかなり時間がかかるのです。木造住宅が火事になったときに、柱や梁だけが残っている映像を見たことはないでしょうか。壁や天井がすべて燃えてしまっても、柱や梁が残るというのはすごいことです。簡単に焼け落ちてしまわないので、万が一火事になっても逃げる時間を稼いでくれるというわけです。
一般に丈夫だと思われている鉄骨のほうが、逆に熱には弱いものです。20分も炎に晒されるとぐにゃりと曲がってしまいますが、10cm以上の厚みがある木の柱は、30分火にさらされても内側までは燃えないため、屋根や天井を支えることができるのです。
確かに火事になると家の中のほとんどのものが燃えてしまいますし、思い出の品なども失われてしまいます。しかし、最も大切である命を守るという点では、木の家が非常に優れているといえるでしょう。木の家は決して燃えやすいわけではありませんし、万が一火事になってもそう簡単には焼け落ちません。しかも、無垢材を多用することにより、化学物質の使用を抑えており、燃えた時の有毒ガスの発生も少なくなるためそれが原因で命を落とすリスクも少ないのです。木の家は火災にも決して弱いわけではありませんので、もしも火事が起こっても、冷静に脱出するようにしてください。
まとめ
木の家は燃えやすいのでは?と心配する人は少なくありませんが、実はある程度厚みのある木はなかなか中までは燃えませんし、多少表面が燃えても強度は保ちますから、逃げる時間が確保できるという点で、他の建材に比べて火事には強いのです。