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社長のひとり言

床の間

父の使っていた部屋を整理していたら、掛け軸が出てきました。生前に父が実家の蔵から持ってきたもので、結構高価なものらしいので、床の間に掛けることにしました。最近の家では全く見ることがなくなった「床の間」ですが、我が家は築30年なので、かろうじて床の間があります。早速床の間の前に行ってみると、物がいっぱい置いてあって物置になっていました。床の間があってもこれが、現代の現状ではないでしょうか。今日は、「床の間」について触れてみたいと思います。
その歴史は、中世、足利将軍の住居に設けられた会合や社交のための建物には、掛け軸を掛け、三具足と呼ばれる香炉、燭台、花瓶を飾る押板が造り付けられていました。これが床の間の起源とされていますが、貴人の座す上段の間が変化したなどの諸説もあり、いまだ判然としていません。いずれにしても、江戸時代初期の格式を重んじる武家住宅において、「床の間」の形式は完成していきました。従来の日本の住宅にある床の間を備えた客間は、この形を引き継いだものといえます。
現代の住宅では、格式にこだわらず、機能性の低い空間を排除してきましたが、生活空間にゆとりを求める時代となり、決まりにとらわれない自由な発想の床の間が登場しています。建物の角を生かした三角形の形状や正面壁を抜いてガラスを入れた床の間、アルコープ風や吊り戸棚の下部を利用したものなど、デザインも材質も様々です。
..上記は、一例ですが、形式にとらわれなくてもいいから、現代の住宅にも「床の間」という文化を残していきたいものです...




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