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社長のひとり言

縁側

10年以上前に建てさせていただいたOB施主様のお家を訪問してきました。敷地が広いので、延坪面積40坪の結構ゆったりとした造りです、一階にある8帖の和室には、床の間、仏間と縁側(正確に言うと広縁)までついています。この広縁でお茶をご馳走になりました。陽気もよくすごく気持ちのいいひとときを過ごさせていただきました。癒されました。最近の住宅ではほとんど見なくなった縁側や広縁ですが、和風住宅と決めつけるのではなく、こういう、あいまいな空間を和洋問わず、設計にうまく取り入れていけたら良いのでは...と言うことで縁側について触れてみたいと思います。


平安時代の寝殿造りの館は、主人の住まう寝殿とその東西に配置された対の屋が主な建物です。建物の中心を母屋といい、母屋の周囲には板張りのひさしの間が巡らされ、宴や管弦にも用いられていました。このひさしの間が縁側の起源とされ、室町時代から近世初めに発展した書院造りには、屋敷と庭園の間に広い縁が設けられました。座敷と広縁を隔てる障子、広縁の外側に雨戸ができると縁側は屋内の一部となり、日本家屋に引き継がれていきました。


機能重視の現代住宅から、使い道の定まらない余分な場所として姿を消しつつあった縁側が、暮らしを楽しむ空間として再認識されています。広く外に向かって開かれた縁側は、家の内外を結び、障子を隔てた室内より自然を身近に感じることができます。


...あいまいな場所だからこそ、使い道は自由です。...




 


 

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