木の香りのする家
2026/03/30
家に入った瞬間、ふと感じる香りがあります。それは、目には見えないけれど、確かにそこにあります。
木の香りです。
私たちは普段から、香りを意識して暮らしていません。けれど、いい家に入ると、なぜか深呼吸したくなる。どこか落ち着く。長く居たくなる。その理由の一つが、この「木の香り」だと私は思っています。
無垢の木は、生きています。切り出され、加工されてもなお、呼吸をし、湿度を調整し、そして香りを放ち続けています。
特に、ヒノキやスギの香りには、人の心を和らげる力があると言われています。
実際に、現場で完成したばかりの家に入ると、職人さんたちの表情がふっと緩む瞬間があります。「ああいい家だなあ」言葉にしなくても、みんな同じことを感じています。一方で、現代の住宅はどうでしょうか。見た目はきれいで、性能も高い。けれど、香りのない家が増えているように感じます。
それは決して悪いことではありません。ただ、少しもったいないとも思うのです。
家は、五感で感じるものです。視覚や機能だけでなく、触れたときの感触、そして空気の質や香り。
木の香りのする家は、住む人の心を穏やかにしてくれます。帰ってきたときに、ほっとできる。朝起きたときに、気持ちよく一日を始められる。
そんな当たり前の幸せを、自然に与えてくれるのです。
....私たちは、家づくりにおいて「性能や数値」はもちろん、「香り」を大切にしています。図面には描けないし、数値化もできない。けれど、確実に暮らしの質を左右するものだからです。...木の香りに包まれる暮らし。それは贅沢ではなく、本来の住まいの姿なのかもしれません…これからも、私たちはそんな家を一棟一棟建てていきたいと思っています。...
このブログは、(株)明陽住建 代表取締役 一級建築士 原田明が書いています。








